忘れ物

電車での忘れ物の大半は、あみ棚に置き忘れだろうと
思われる。そこで私はある忘れ物に遭遇した。

それは、横浜からの帰り道。川崎駅で電車の乗り換えで
南武線のホームへ。ホームにはちょうど立川行きがすでに
入っていて、発車まで5分くらいしかなかった。
車中はけっこう人が乗っているので、座るのは無理かなと思いつつ、ホームを歩いているとちょうど席が空いている車両が
あったので、その車両に乗り空いている席へ。
空いている席の端っこにある物がいた。
それは、黒く車中の明かりに反応してテカテカしていて
レースみたいな縁取りがあるシミーズかと思った。

しかし、なぜ車中の仲に下着（推測）が？
その訳を勝手に妄想してみた。

1．コインランドリーに行くために電車に乗り
荷物が多すぎて落ちてしまった。
2．酔っぱらっていて、車中で脱いでしまった。
3．下着泥棒が電車に乗っていて、降りる時に急いで
降りようとしてズボンのポケットに入れいた下着
が落ちてしまった。

そんな事を妄想しつつ、席があると思いながら乗り込んで
きた人々がその物体を見た時の反応を見ていた。
物体に気がつかないうちは、座ろうとして席に近づき
それに気づくと、一瞬躊躇してその場を離れていた。

私が 降りる駅までそれを掴んで、荷棚に置く勇者は
現れる事なく、あの下着らしき物は立川〜川崎間を
何往復したのだろうかとか拾得物として南武線の
どこかの駅にしばらく保管されるのだろうかという
疑問を残った。